産後のガルガル期いつまで?その症状、バセドウ病のサインかも?!
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産後は赤ちゃんのお世話による寝不足や、授乳からくる貧血などで疲れやすくなります。
また授乳中は食欲も増しますよね。
あわせて、ホルモンバランスの乱れから「ガルガル期」や「産後クライシス」と呼ばれる性格や考え方の変化も現れます。
床上げは過ぎたけれど体調がすぐれない。
食べても食べてもお腹がすく。
パパとのけんかが増え、ちょっとしたことでイライラする。
本当にその症状は産後よくある一過性のものでしょうか?
私の患っていた「バセドウ病」はそんな産後の体調・心情の変化に隠れてしまいがちな病気です。
バセドウ病とは?
バセドウ病とは
「甲状腺自己抗体によって甲状腺が瀰漫(びまん)性に腫大する自己免疫疾患」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%BB%E3%83%89%E3%82%A6%E7%97%85より引用
です。
バセドウ病になると抗体により攻撃された甲状腺が過剰に働いてしまい、代謝をつかさどる甲状腺ホルモンも過剰に分泌されます。
その結果代謝が異常に活発になり、全身の臓器が常に全力疾走している状態となります。
バセドウ病の症状
私に現れた大きな身体的症状は
・少しの運動で動悸・息切れがおこるようになり疲れやすくなった
・首の腫れ
・食欲の増進と体重の低下
の3つでした。
その他の身体症状としては、手の震えや眼球の突出、発汗過多、抜け毛などがあります。
また、私はひどくイライラするといった症状もありました。
この性格の変化も多くの人に現れるそうです。
性格の変化により
「患者は不安、怒り、イライラ、気分の変転が多くなり、夫婦間でのコミュニケーションがうまくいかず、多くは配偶者の行動を歪んで認識する。患者自身が病変による不慣れな感覚を理解するのに苦労し、配偶者もまたストレスを共有するに至るため、誤解や誤った期待、些細なことでの口喧嘩などの混乱をもたらす。患者は口論のストレスにうまく対処できずに不仲になることが避けられない」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%BB%E3%83%89%E3%82%A6%E7%97%85より引用
といった産後クライシスとよく似た状態に陥ります。
治療法
・投薬治療…甲状腺ホルモンを抑える薬を服用しホルモンバランスを正常にします。
・アイソトープ治療…放射性ヨウ素を服用し甲状腺の細胞を減らすことでホルモンバランスを正常にします。
・手術…甲状腺を半分、もしくは全て摘出し甲状腺の働きを正常にします。
全摘出の場合は術後甲状腺ホルモン剤を服用することで体に必要な甲状腺ホルモンを補います。
多くの場合まずは投薬治療を行い、その後投薬の効果や患者さんの生活に応じてアイソトープや手術に進むこととなります。
予後
適切な治療を早期に行えば予後は良好で、死に至る病気ではありません。
ですが、気付かずに放置した結果不整脈から心室細動を起こす可能性もあり、適切な治療が重要となります。
私の体験談
私が発病したのは、まだ学生だった19歳の時でした。
バセドウ病という病気の存在さえ知らず、自覚症状はありましたが、環境の変化による疲れとイライラからくるやけ食いだろうと思っていました。
たまたまバセドウ病を患った方に指摘されたことで、受診・診断を受けましたが、指摘されるまでまさか自分が病気であるとは思いもしませんでした。
その後投薬でコントロールを行いながら第一子を妊娠・出産。
平均より少し小さく生まれた第一子は、私の服薬の影響から生後半年まで甲状腺の働きが悪く通院と服薬が必要でした
また私自身も第一子出産後、出産によるホルモンバランスの乱れも重なりかなり悪化。
一日に12錠の薬を飲む時期もありました。
結局発病から8年投薬を続けましたが寛解には至らず、第二子の妊娠を考えて昨年甲状腺を全摘出。
甲状腺ホルモンを薬で補いながら、今年5月第二子を出産しました。
おわりに
バセドウ病は、けして患者数の少ない病気ではありません。
歌手として活躍する絢香さんや、タレントの美奈子さん、増田恵子さんなど、芸能人の患者さんも多くいらっしゃいます。
増田恵子さんは以前テレビで「更年期障害だと思っていて適切な治療のスタートが遅くなった」とお話しされていました。
産後のホルモンバランスの乱れや、加齢によるホルモンバランスの乱れとよく似た症状が出るため、病名を知っていても「まさか自分が」と思い受診が遅れてしまう方が多いのもこの病気の特徴の1つです。
子育て中はついつい自分のことは後回しになりがちですし、疲れていて当然と思ってしまいます。
ですが、その「疲れ」の裏に大きな病気が隠れていることもあります。
どんな病気でもそうですが、早期発見・早期治療がその後の回復を左右します。
この記事が同じ症状に悩む方の受診のきっかけとなればと思います。