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子供の風邪を早く治す方法は?薬の適切な使い方と発熱・鼻水・咳との向き合い方

健康・病気 子育て
この記事は約 5 分で読めます。

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これから寒くなり、風邪を引きやすい季節になります。子供が熱を出すと焦ってしまい、はやく楽にしてあげたいと、解熱剤や風邪薬で症状を抑えてしまいがちです。子供に対する風邪や薬の正しい知識を持って、安心して対処してもらいたいと思い、薬剤師として働いている経験から要点をまとめてみました。

子ども用おすすめの風邪薬って何?


残念ながら普通の風邪に治療薬はありません。
症状が悪くなったときにきちんと病院に行くことが大切です。
公的機関(厚生労働省・米国FDA)から、乳幼児には医師の診療を受けさせることを優先し、止むを得ない場合にのみ服用させることが推奨されています。
(引用:2歳未満の乳幼児へのかぜ薬、咳止め薬及び鼻炎用内服薬の使用

大人は軽い風邪では仕事を休めませんし、家事も休むわけにはいきません。
症状を和らげる意味でも、風邪薬はとても大切なお薬です。
小さな子供には、まだお仕事はないですし、しっかり休息をとって体の調子を整えるのが最善です。

抗菌薬って必要かな?

一般的には、抗菌薬は風邪のウイルスには効果が期待できません。
むしろ、お薬のアレルギーや体に必要な細菌を排除することから調子を崩すことがあります。
抗菌薬の安易な使用は薬の効かない耐性菌の出現を促し、本当に細菌感染症にかかった時に、お薬の効果が発揮されない事が懸念されます。
実際に世界的規模で、薬の効かない耐性菌に対する脅威が活発に議論されていて、公的機関(厚生労働省・世界保健機関・各種学会)からも抗菌薬の安易な使用を避けるように勧告されています。
(引用:薬剤耐性(AMR)対策について

「なんとなく安心」でお薬を使うのは、子供達にはあまりお勧めできません。

解熱剤って?

解熱剤は一時的に熱を下げるだけで、病気が改善するわけではありません。
風邪をひいたとき、体は発熱することでウイルスと戦っています。
熱を下げることで、ウイルスとの戦いを一時的に中断させてしまいます。
そういった意味でも、解熱剤をむやみに使うのはお勧めできません。
一方で、辛い症状を和らげる意味では、とても大切なお薬です。

解熱剤の正しい使い方は?

一般的に、解熱剤を使わなくても風邪(大半が自然に治ると考えられる軽症のウイルス感染症)は治ります。
しかし高熱で体が辛いときは、解熱剤を使うと一時的に熱が下がり楽になります。
解熱剤にもたくさんの種類がありますが、小さな子どもに安全な解熱剤は限られています。
アセトアミノフェンという成分が一般的には安全でよく用いられます。
成人がよく解熱剤として使用する薬の成分(アスピリン・スルピリン・ジクロフェナクナトリウム・インドメタシンなど)は小児には適しませんので注意が必要です。

病気の予防(手洗い・うがい・ワクチン)の重要性!

 

最近はワクチン接種をすることで、インフルエンザなど病気の多くを予防出来るようになりました。
ニュースや新聞の情報から、ワクチンは怖いというイメージがあるかも知れませんが、それはお薬も同様です。子供にお薬(解熱剤・抗菌薬など)を使うことも、気になることがたくさんあります。
体調を整え、必要に応じてワクチン接種し、免疫力を高めることで病気にかかる可能性はぐっと低くなります。手洗い・うがいなど、病気にかかりにくいようにする事がとても大切です。

風邪ってなんだろう?


小さな子供の熱・鼻・咳のほとんどは「風邪」と言われています。
「風邪」って一体何でしょう?
「大半が自然に治ると考えられる軽症のウイルスによる感染症」です。
ウイルスが悪さする場所により、鼻風邪・のど風邪・お腹の風邪と呼び名が異なります。

風邪ウイルスって?


風邪のウイルスは、外から体の中に入って来ます。
体の表面は、皮膚が楯の役割をしていて、ウイルスは入り込めません。
ですので、眼・鼻・口などからウイルスは入ってきます。その中でも最も多いのは鼻かと思います。
呼吸を常にしていますので、外から異物が入りやすいのです。

発熱って?

ウイルスが鼻に侵入すると、どんどん増えていきます。
すると体は自分を守るために熱を出してウイルスの増殖を抑えようとします。
ウイルスは37度前後でよく働くのですが、39度前後になると、あまり働けなくなります。
ウイルスのたんぱく質が熱で変化してしまうのです(卵も暖めると固まりますよね、そんなイメージです)。

鼻詰まり・鼻水の役割って?


ウイルスが鼻に侵入すると、鼻の粘膜がふくらんで、できるだけ奥にウイルスを入れないようにします。
これが鼻づまりです。ウイルスが増えてくると鼻の粘膜を傷つけます。
ですのでウイルスを体の外に出そうと鼻水が出てきます。

咳の役割って?

のどにウイルスが入ると咳が出ます。かぜのひきはじめは咳は軽いのが一般的です。
かぜが長引くと痰など出やすくなります。
痰や喉のネバネバを取り除くために咳は大切な役割を果たしています。

まとめ

風邪をひいたとき、発熱・鼻詰まり・鼻水・咳で体はウイルスと戦っています。実は熱・鼻・咳は身体の味方なのです!お薬は、忙しい大人が症状を和らげる意味では効果がありますが、小さな子供には必要でない場合も多いと思います。症状が悪くなったときにきちんと病院で診察を受け必要なときのみお薬を使うことが重要です。

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Katti

Katti

愛知県出身。総合病院に勤める薬剤師です。病院でのお薬の適切な管理に日々奔走しています。職場でも忙しく働く傍らで、家庭でも子供達とバタバタと楽しく過ごしています。オン・オフをしっかりして、家族との時間を大切にしたいと心掛けています。

<ライターからのご挨拶>
お薬って使う機会が多いですが、意外と知らないことが多いです。特に子供に使うとき、心配になることがありますよね。熱を出したりしたときなど、安心してお薬を使えるようなヒントを提供できたらと思っています。よろしくお願いします。

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