母親が傷つく言葉。育児者へのタブー発言。何気ない言葉で傷つけていませんか?
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友達、親戚、家族、果ては知らない人にまで…。育児をしていると、とても励みになる言葉をかけてもらえたり、反対にとてもつらい言葉をかけられたりすることがあります。世の中のお母さんは、どういった言葉に傷ついているのでしょう。また発言する側は、どうしてそのような言葉をかけてしまうのでしょうか。実際に傷つけられた人の声を聞きながら、考えていきたいと思います。
この記事の目次
育児のやり方を否定する
何でも母親のせい
子どもが熱を出したら、「薄着すぎたんじゃない?」「お風呂のあとに拭けてなかったんじゃない?」
とすぐに母親に原因を押し付ける発言があります。子どもはすぐに風邪をひき、すぐ熱をだすものです。子育て広場や保育園など、集団の中に入ればすぐにウイルスをもらうもの。その繰り返しで強い抵抗力を身につけていくのです。お母さんが何かをしたから風邪をひくというのはほとんどありません。「大変だね。看病疲れしないでね。」など、気遣う言葉にとどめたいですね。
私の時代はこうだった
「昔は紙おむつなんてなかったから、常に洗濯していたわ。今は紙おむつがあって便利ね。でもおむつが外れるのが遅くなるんじゃない?」
「昔は抱き癖がつくからそんなに抱っこはしなかった。今どきの母親はすぐに抱っこするよね。」
などなど。きっと苦労をして育児をしてきた人ほど、楽に育児をしている(ように見える)人に対して、昔の苦労話を聞いてほしくなるのかもしれません。過去の苦労があってこそ、今の時代は進化をして、便利グッズがでてきています。物理的なもの以外にも、育児休暇やファミリーサポートなどの制度面も充実してきました。しかし一方では、周囲の理解が得られない精神的負担はいまだに残り、さらに地域で助け合うことがすくなく、一人にのしかかる負担は増えています。そのため、決して今の子育て世代は楽をしているとは言えません。家庭によってももちろん違うのです。「大変ね。私もこんな経験をしたことがあったのよ」など、共感することでうまくコミュニケーションをとりたいですね。
興味本位で質問攻め
母乳で育ててるの?
見知らぬ人にさえ、「母乳で育ててるの?」と聞く人がいます。聞かれた方はたまったものではありませんが、きっと聞く人は何気ない世間話のつもりなのでしょう。もしその人が母乳が出なくて悩んでいたら…ほんの少しの想像力で傷つけずにすみます。街で見かけた赤ちゃんがかわいくて、ついつい話しかけたくなることはありますよね。そんな時は、「かわいいですね」「何か月ですか?」「女の子ですか?」などで十分です。
不妊治療したの?
双子の子どもを見かけると、すぐにこう聞く人がいます。「自然に双子を授かったの?」「親戚に双子がいるの?」なども暗にこれを聞きたい場合があるようです。しかし治療をしていてもしていなくても、聞かれたほうは傷つきます。どちらにしてもかわいいわが子を、どうしてそんなカテゴリーでわけられるのか、わからないからです。双子やハーフなど、少し自分と違う存在の場合、興味や好奇心がより大きくなって、知らない間に失礼なことを聞いている場合があります。どんな形であれ、みんな同じように大切にわが子を育ているということを、忘れないようにしましょう。
子どものことを思って…
靴下はいてない!かわいそう!
寒い冬空のもと、靴下をはいていない赤ちゃんを見かけると、「まぁかわいそう!寒いのに!」と思ってしまいますよね。でも育児書には、赤ちゃんには靴下が不要と書かれているのです。乳児幼児になっても、暑がりさんは汗をかいて逆に冷える心配もあるので、薄着にしている場合もあります。きちんと育児書通りにしたり、わが子のことを誰よりも理解して調整したりしているひとにも、かわいそうと言えるのでしょうか。子どものことを思った発言も、実は親を傷つけている場合があるのです。
保育園に預けるなんてかわいそう 働かないなんてかわいそう
これも同じように、自分の物差しで「かわいそう」と発言してしまうことです。少し前までは、3歳より前に働いて保育園に預けることに対し、「かわいそう」と思っている人がかなりの割合でいたようです。昔は専業主婦が大多数だったので、その感覚でいるとかわいそうに思ってしまうのでしょう。しかし今は専業主婦より働く母親の数が上回っています。社会的にも育児休暇制度や時短制度が整いつつある中、その考え方は時代遅れと言えるでしょう。
またその制度が整い社会的に価値観が変容していく中で、今度は「専業主婦だと子どもの世界が広がらなくてかわいそう」と発言する人も出てきているようです。そのようなことは決してなく、各家庭によって様々な形があって当然で、周りがその側面をみるだけで「かわいそう」と判断することはできないのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ほとんどの場合は、母親を傷つけようと思って発言しているわけではないということがわかると思います。むしろ母親や子どものことを思って、もしくはあまりにもかわいくてつい声をかけたくなって…など、好意的なものも多いでしょう。産後の場合は、ホルモンバランスの変化によって母親の気持ちも安定せず、普段は気にかからない言葉でも繊細に受け止めてしまう場合もあるため、言葉を選ぶのは難しいかもしれません。しかし、お母さんがわが子のことをとても大切に思って育てていくとこを感じ取っていれば、自分の経験や価値観を押し付けていることに気付けるかもしれません。みんなが伸び伸びと育児ができるように、見守っていける社会になるといいですね。