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どうすればいい?我が子がいじめにあった時 ~元当事者の立場から、お父さん・お母さんへ~

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この記事の目次

はじめに

 

「いじめを苦に自殺」
このような悲しいニュースは後を絶ちません。

 

私は中学校の3年間、いじめに遭っていました。
仲間外れ、バイキン扱い、根も葉もない噂を流される、
ゴミをぶつけられる、私物を壊されたり隠されたりする、
机に「死ね」と落書きされる、暴力を振るわれる・・・
思い出せばキリがないほどの嫌がらせを受けました。

 

実際に行動にこそ移しませんでしたが
「死にたい」と思いながら3年間を過ごしていました。

走っているバスやトラックを見て
「これに飛び込んだら楽になるのかな」
と、思ってしまうほど精神的に追い詰められていました。

 

幸いにも高校に進学後は、いじめられることもなく過ごすことができましたが
3年間もの間いじめられ続けた経験は、私の心に大きな影を落としました。

 

いじめられてからの私は、他人との関わりが怖くなり、
コミュニケーションを取る上で支障が出るようになってしまいました。

 

20代になってから
「このままでは社会人として生きていくのに支障が出る」
と思った私は心療内科を受診したところ、
そこでPTSDとの診断を受け、治療を受けました。

 

私は35歳です。(2017年9月現在)
いじめを受けてから20年もの歳月が経過しているにも関わらず、
今でも時々、いじめられていた当時のことが夢に出てきます。

 

あまりの苦しさに、夜中に目を覚ましてしまうほど、
鮮明で、残酷な内容の夢です。

 

PTSDの治療を受けたので、これでもだいぶマシにはなりましたが、
当時受けた心の傷は、完全に消えることなく残っています。

 

たった3年間のいじめが、こんなにも私の人生に影響を及ぼしています。

 

私のような思いを、味わう子どもが1人でも減って欲しい。
そんな思いを込めて、私のいじめ体験を紹介するのと同時に、
お父さん、お母さんに知って欲しいことを書いていこうと思います。

いじめを受けているとき、私に起こった4つの変化

 

私がいじめを受けていたとき、心身にこのような変化が起こりました。
お子さんの様子で思い当たる点がある場合は
「もしかして何かあったのかもしれない」と疑ってみることをおすすめします。

夜更かしになる

お子さんが夜更かし気味になっても、
その理由が「好きなテレビ番組を観たい」
というような、趣味に関するようなことであったり
「試験勉強」など、目的が明確に分かるようなものであれば心配はないと思いますが
特に目的もなさそうなのに、
いつまでも起きているような様子が見られる場合は要注意です。

 

それは「眠るのが怖い」という理由で起きているのかもしれません。

 

一度眠って目覚めると、当たり前ですが「朝」がやってきます。

いじめを受けている子どもにとって「朝」は残酷な時間です。
朝が来ると、学校に行かなければならないからです。

 

学校に行けば、またいじめが待っています。
辛い目に遭うだけで、何の楽しみも希望もない学校に行かなければならない
「朝」がやってくるのは。絶望でしかありません。

 

逆に言えば、家にいる時間は1日のうちで唯一の安息の時でもあります。
その安息の時を一秒でも長く味わっていたいがゆえに
いじめを受けているときは、夜更かしになってしまうのです。

朝、起きられなくなる

いじめに遭うと夜更かしになる、ということについて説明をしましたが
その反動で、朝はなかなか起きられなくなります。

 

もちろん前日に夜更かしをしたという物理的な理由もありますが、
朝、起きてしまうと、いじめを受けている子どもにとっては
辛いことばかりの1日がスタートしてしまいます。

 

少しでも長く、安心できる家にいたい、
学校へ行く時間を少しでも遅くしたい、
そんな心理が働いて、朝はなかなか布団から出られなくなってきます。

食欲の異常

私の場合、食欲もおかしくなりました。

全くと言っていいほど食欲がない日が続いたかと思えば、
食べても食べてもお腹がいっぱいにならず、
夕食の際、親に止められるほどの量を食べてしまったり、
お菓子を大量に食べてしまう、ということもありました。

 

今思えば、ストレスが原因なのだと感じるのですが、
拒食と過食を繰り返すような様子が見られるなど、
明らかな食欲の異常がある場合も、
「何かあったのではないか」
と、疑ってみてください。

テンションの異常

私は、家にいる時に異様にテンションが高くなっていました。

 

くだらない冗談を連発したり、ものまねをして家族を笑わせたりするなど
今思うと、まるでピエロにでもなったかのような状態が続いていたように思います。

 

学校で辛い目に遭っていた反動
せめて家では、楽しく過ごしたいという気持ち
ピエロを演じることで、いじめの辛さを忘れたい

 

このような様々な思いが入り混じって、
異様にテンションが高い状態になっていたのではないかと思います。

いじめられてる子は、どうして親に相談できないのか

私は、いじめに遭ってから1年ほどは親に相談することができませんでした。

 

「いじめに遭っているのなら言って欲しい」

 

そのように感じるご両親は多いと思いますが、
お子さんの側には、親になかなか言い出せない理由があります。

 

私は、次に紹介する3つの理由が複雑に絡み合って、
なかなか親に「いじめられている」ということを言えずにいました。

親の悲しむ顔が見たくない

親は自分を大切にしてくれる存在です。
その親が「わが子がいじめられている」と知ったら
どんなに悲しい思いをさせてしまうだろう・・・。

子どもは、そのような気持ちになってしまいます。

 

私が中学1年生の時、
持って行ったお弁当を、ごみ箱に捨てられてしまったことがありました。

 

母が早起きして一生懸命に作ってくれたお弁当。

 

そんな大切なものが、ぐちゃぐちゃにされ、
踏みつぶされたのか、蓋にひびが入った状態でゴミ箱の中で発見されたとき

 

「私がこんなことをされているって知ったら、お母さんが悲しむだろうな」

 

という気持ちでいっぱいになりました。

 

このように、我が子がいじめられていることを知ることで
親が深く悲しんでしまう姿を見たくないがために、
いじめられていることを言い出せなくなってしまうケースがあります。

「叱られてしまうかも」という不安

お子さんに日頃から

 

「やられたらやり返しなさい」
「嫌なことを言われたら言い返しなさい」

 

と、言っている場合は、
それが原因で、いじめられてることを打ち明けられなくなっている可能性があります。

 

親に「いじめられている」と伝えた場合、
助けてくれるのではなく

 

「お前が弱いからいじめられるんだ」
「やられたらやり返しなさい」

 

と、突き放されてしまうのではないかと不安に感じて
なかなか言えずにいるのかもしれません。

家にいる時くらいは、いじめのことを忘れたい

学校でのいじめは壮絶で残酷です。
全く逃げ場がないし、いつどこで嫌がらせを受けるか分からないので
一瞬たりとも気が抜けません。

 

そのために、家に帰りつく頃には心身ともに疲れ果ててしまっています。

 

やっと帰り着いた安心できる場所。
せめてそこでは、学校での緊張やストレスを解き放ちたい、

いじめに怯えずに済む、貴重な時間であるから、
そこでわざわざ「いじめ」を話題にしたくない、

 

そういう気持ちから、なかなかいじめのことを口に出せなくなってしまう傾向もあります。

「おかしい」と思ったら、声をかけてください

 

いじめられていることを、なかなか言い出せなくても
「助けて欲しい」という気持ちは、常に持ち合わせています。

 

これまでに紹介してきたような、いじめの兆候と見られるような変化や
「何かおかしい」と感じたときは、

 

「学校で何かあったの?」

 

と、お子さんに声をかけてあげてください。

 

すぐには「いじめられている」とは言わないかもしれません。
だけど
「あなたが困っているのなら助けてあげたい」
という姿勢を崩さないでください。

 

決して
「いじめられているほうが悪い」と思わせるような空気は出さないでください。

お子さんが「いじめられている」と打ち明けてくれたとき

 

まずは、打ち明けてくれたことを褒めてあげてください。
その一言を発するのに、どれだけの勇気が必要だったか、
ということを理解してあげてください。

 

いじめられてることを打ち明けてくれたということは
親を信頼してくれているからに他なりません。

 

お子さんの味方になってあげてください。
辛い気持ちに寄り添ってあげてください。
そして、親ができる最大限の力で解決にあたってください。

 

やっとの思いで、いじめの事実を訴えたにもかかわらず、
親に突き放されてしまったら、子どもは最後の砦を失ってしまいます。

 

くりかえします。

 

お子さんの味方になってあげてください。
辛い気持ちに寄り添ってあげてください。
そして、親ができる最大限の力で解決にあたってください。

本人が安心できるまで、学校には行かせないで!

いじめられている子にとって、学校は恐怖の場でしかありません。
味方が誰1人いない中、敵陣に放り込まれるようなものです。

 

学校に行かないことで、学力の遅れや出席日数が心配になるかもしれません。
だけど、それより大切なのは、お子さんの心であり命ではないでしょうか。

 

現に、いじめを苦にした自殺は後を絶ちません。
決して他人事ではないのです。

 

今は、学校以外にも学習の手段はあるし、
出席日数が気になるのであれば、保健室登校等の方法もあると思います。

 

教室でみんなと一緒に授業を受けるだけが「学習」ではありません。

 

お子さんが安心して学校に行けるその日が来るまで、
学校には行かせない勇気を持ってください。

親と先生に無理矢理登校させられた私がどうなったか。

意を決して親に、いじめの事実を告げたところ・・・

中学2年生の時、私は意を決して

 

「学校でいじめられている」

 

ということを、親に告げました。

 

学校でどんな目に遭っているかということ、
複数の先生も、いじめを増長するような言動をしているということ、
先生方は、見て見ぬふりをして助けてくれないこと、
ありのままの事実を、懸命に伝えたつもりでした。

 

だけど、親がとった行動は私を絶望させるものでした。

 

当時の担任に連絡を取り、
私に対し、学校に行くように説得をしてきたのです。

 

当時の担任が

 

「いじめはありません。この子の思い込みです」

 

と言ったのを鵜呑みにし、
私が必死で訴えた「いじめ」は
「ただの被害妄想」「思い込み」として片づけられ、
翌日から再び登校することを、無理矢理約束させられました。

 

当時、私は中学2年。
親としても、翌年に控えた高校受験のことが心配だったのかもしれません。
だけど私は、奈落の底に突き落とされたような思いになりました。

 

このときの気持ちは、一生忘れることはないでしょう。

無理矢理登校させられた私はどうなったか

私が訴えているいじめは「思い込み」「被害妄想」であり、
「いじめの事実はない」と言われ、無理矢理登校させられた私に待っていたのは、
前よりもひどくなったいじめでした。

 

親が
「娘がいじめられたと言っている」と学校に伝えたことで、
私をいじめていた生徒たちは、先生から一応、事情は聞かれたのだと思います。

 

そのことを
「チクった」
と見なされ、思い出すだけでも涙が出るほど、
酷いことをされるようになってしまいました。

 

もはや親に頼ることができなくなった私は、
ひたすらいじめに耐えながら、中学の卒業を待つしかなかったのです。

 

3年もの間、いじめられ続けた私は、
後にPTSDを発症するほどに、心を病んでしまいました。

 

心療内科で治療を受けるまでは、
なかなか他人に心が開けず、人間関係を結ぶのに苦労をしたし、
駅などで、かつて自分をいじめた相手を目にすると、
心臓が大きく鼓動を打ち、涙が出てくるようになってしまっていました。

 

そして、周囲には自分をいじめるような人がいなくなったにも関わらず
「またいじめられるのではないか」
という恐怖を常に感じながら生きていました。

 

今ではだいぶマシになりましたが、
いじめを受ける前の、心に傷がない状態に戻ることはありません。
いまだに思い出しては苦しみ続けています。

お父さん・お母さんへのお願い

お子さんが、いじめに遭っているような兆候を見つけたり、
お子さん本人が「いじめられている」と訴えてきたら、
絶対に味方になってあげてください。

 

学校がいじめを認めなくとも、お子さんを信じてあげてください。
無理矢理登校させるようなことは絶対に避けてください。

 

「いじめ」を甘く見ないでください。
子どもにとって学校は、生活の大半を占める場所です。
そのような場所で長時間、たった1人でいじめに耐えねばならないということは、
想像を絶する辛さです。

 

もし自分が同じ目に遭ったら、どれだけ深く心が傷つくか・・・
そのことを想像してみてください。

 

いじめの解決に向けて全力を尽くすのはもちろんのことですが、
いじめによって深く傷ついた、お子さんの心のケアも十分に行ってください。

 

いじめは、何十年経っても消えない傷を残します。
たった3年間のいじめの傷は、20年経っても消えずに残ってしまうのです。

 

私のような思いは、誰にもしてほしくありません。
子どもたちに、私のような大人になって欲しくありません。

 

しつこいですが、最後にもう1度繰り返します。

 

お子さんが、いじめに遭っているような兆候を見つけたり、
お子さん本人が「いじめられている」と訴えてきたら・・・

 

お子さんの味方になってあげてください。
辛い気持ちに寄り添ってあげてください。
そして、親ができる最大限の力で解決にあたってください。

 

私の経験が誰かの助けになることを、心の底から願います。

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ライター紹介 ライター一覧

山中みさと

山中みさと

1981年生まれ、宮城県仙台市出身、千葉県在住。
2007年6月生まれの娘・2018年8月生まれの黒猫(男の子)の子育て真っ最中。
大学卒業後は出産まで図書館に司書として勤務。
結婚後は、子どもの幼稚園・小学校でPTA役員を経験。
教員免許(中高・国語)、司書資格、司書教諭資格を持つほか、
学生時代、塾講師のアルバイトの経験もあり。
趣味は、読書、アニメ。


10年近く育児をしてきた中で、
いいことだけではなく、困ってしまったこと、悩んだこと、
壁にぶつかったことなど、たくさんの経験をしてきました。

そんな私の経験を記事にし、
少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

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