発達障害に対する理解を深めましょう!問題児と決めつける前に…
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この記事の目次
発達障害とは
発達障害
近年よく耳にする言葉ですが、その言葉の意味を正しく理解できている人は、
それほど多くはないのではないでしょうか。
LITA LICO発達障害ナビというサイトでは
発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)と、
その人が過ごす環境や周囲の人とのかかわりのミスマッチから、
社会生活に困難が発生する障害のことです。
LITA LICO発達障害ナビ
https://h-navi.jp/column/article/134より引用
と説明されている通り
発達障害は生まれつきの特性であるのと同時に、
親の育て方が悪いわけでもなければ、本人に悪意があるわけではない、
ということが言えます。
一般的に「発達障害」という概念で示されるものは、
広汎性発達障害 (PDD)
注意欠陥・多動性障害 (ADHD)
学習障害 (LD)
この3つであることが多いようです。
※最近は広汎性発達障害(PDD)が「自閉症スペクトラム(ASD)」に
含まれるというとらえ方がされているようです。
自閉症スペクトラムについては、以下のサイトを参照ください。
LITA LICO発達障害ナビ
「自閉症スペクトラム障害(ASD)とは?年代別の特徴や診断方法は?
治療・療育方法はあるの?」
https://h-navi.jp/column/article/35025728
広汎性発達障害(PDD)
広汎性発達障害(PDD)とは
広汎性発達障害とは、特定の領域ではなく
認知・感覚・言語・など、障害のある領域が多岐にわたる場合の事を言い、
自閉症やアスペルガー症候群もこれに含まれます。
広汎性発達障害の特徴
・友人関係を上手に築けず、人とのコミュニケーションが苦手
・「察すること」が苦手
・自分だけのルールがあり、強いこだわりを見せる
・音や触覚など、特定の物に対する感覚過敏
集団生活で起こりがちなトラブル
・相手が傷つくようなことを言ってしまう
→「これを言われたら相手はどんな気持ちになるか」ということを
察することができないために起こってしまう。
・相手の話を聞かず、自分ばかり一方的にしゃべってしまう
→コミュニケーションが不得手であることで起こってしまう
・突然暴れたり、パニックを起こしたりする
→「自分だけのルール」に反するような事態が起こった際、
頭の中が混乱してしまうことで起こってしまう
注意欠陥・多動性障害 (ADHD)
注意欠陥・多動性障害 (ADHD)とは
自分をコントロールする力が弱く
不注意、多動、衝動的な行動をとってしまう傾向がある障害です。
注意欠陥・多動性障害 (ADHD)の特徴
・気が散りやすく集中することが苦手
・無意識に身体を動かしてしまうことがある
・思いついたままの衝動的な行動をとってしまいがち
集団生活で起こりがちなトラブル
・授業中に立ち歩いたり、教室を飛び出してしまう
・順番を守らず割り込んでしまう
→多動性、衝動性が抑えられずに起こってしまいがち
友達との約束を忘れてしまう
→「不注意」の特性によって起こりやすい
学習障害 (LD)
学習障害 (LD)とは
知的な遅れはないものの、特定の能力を習得するのに困難を示し
能力はあるのに、習ったことを覚えられない傾向があります。
学習障害 (LD)の特徴
・「読む」「聞く」「話す」「計算する」「推論する」などの
基本的な学習能力の習得が難しい場合が多い。
集団生活で起こりがちなトラブル
・「怠けている」「勉強嫌いの子」というレッテルを貼られてしまう
→本人が怠惰なわけではなく、生まれ持った特性により生じるもの。
本人に問題があるわけでも、親の躾が悪いわけでもありません
席に座っていられずに立ち歩いている子。
先生の話を聞かずに大声でしゃべっている子。
お子さんの授業参観などで、このような光景を目にしたり、
「〇〇ちゃんが教室で暴れている」という話を、頻繁に耳にしたり、
ママ友同士のうわさで「△△くんって、乱暴な子みたいだよ」
という噂を耳にした経験がある方もいらっしゃると思います。
もしかしたら
「困った子ね」
「うちの子と関わらないで欲しい」
「親は一体どんな躾をしているの」
そんなふうに思ってしまったことのある方もいらっしゃるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
「困った子」「問題児」と決めつけないでください。
それは、発達障害ゆえの特性であり、親の躾の良し悪しとは全く無関係であること、
本人はもちろん、その親御さんも悩み苦しんでいる可能性もあることを知ってください。
発達障害を持つ子の割合は、30人に1~2人程度
発達障害を持つお子さんは、30人に1~2人の割合と言われています。
つまり1クラスに1人か2人は、
何らかの発達障害を持つ子がいる可能性が高いということになります。
子ども、とりわけ低年齢の場合については、
親の思想や言動が、子どもに大きな影響を及ぼすことが多いように思います。
もしお母さんが、発達障害を持っている子について
「あの子、乱暴で悪い子ね」
「●●ちゃんとは遊んじゃダメ」
などということを、お子さんに言ってしまったら、どうなってしまうでしょうか・・・。
お子さん本人が、その子を「乱暴な子」「悪い子」と認識してしまい、
「発達障害」を持つ子を理解する機会を失ってしまうのではないかと感じます。
まずは大人がきちんと「発達障害」を理解すること、
そしてお子さんに、それを伝えることができること。
それが何よりも大切なのではないでしょうか。
おわりに
私は目が非常に悪いです。
裸眼だと0.1くらいしかなく、メガネがなければ何もできません。
また、肌が生まれつき非常に弱く、日光に当たったり金属に触れるとかぶれてしまいます。
さらに言えば、卵巣チョコレート嚢胞も抱えているし、
「寒暖差アレルギー」という、
急激な温度変化でアレルギー反応を示してしまう疾患も持っています。
夫は、重度のスギ花粉症だし、
娘は、今のところ治療の必要はないものの
「外斜位」「睫毛乱生」(いずれも目の疾患)と診断されています。
このように、人は何かしらの「特徴」を持っており、
それと付き合いながら生きていきます。
それは「発達障害」も同じこと。
発達障害の特性ゆえに目につきやすいけれど、本質は他の疾患によるものと同じであるように感じます。
「あの子、困った子ね」
そう思う前に、ちょっと立ち止まって見てください。
もしかしたらその言動は、発達障害による特性かもしれません。
手を差し伸べることはできなくとも
「理解」を示してくれる人が増えるだけで、
ほんのちょっと、世の中が変わるかもしれません。
発達障害については、以下のサイトにも詳しく紹介されています。
LITA LICO発達障害ナビ
また、発達障害をテーマにしたマンガもあります。
沖田×華
『とことん毎日やらかしてます。トリプル発達障害漫画家の日常』
参考文献
『図解・よくわかるアスペルガー症候群』広瀬宏之 ナツメ社
『図解・よくわかる自閉症』榊原洋一 ナツメ社
『図解・よくわかるADHD』榊原洋一 ナツメ社
『図解・よく分かるLD』上野一彦 ナツメ社