意外と知らない「はしか(麻疹)」とは?予防方法やワクチン接種の注意点まとめ
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連日、はしか(麻疹)についてニュースで情報が流れています。よく耳にするけど、意外と知らないはしか(麻疹)とワクチンの重要性について薬剤師目線で簡単にまとめてみました。
この記事の目次
はしか(麻疹)の流行
はしか(麻疹)は、一般的に小児における感染症です。
しかし、成人においても免疫がなければ発症し、重症化する可能性があります。
2008年に若者を中心に全国流行したはしか(麻疹)、2013年に成人男性を中心に全国流行した風疹に代表されるように、ひとたびウイルスが持ち込まれると、免疫が低い人を中心として流行します。
はしか(麻疹)流行で考えられる影響
はしか(麻疹)を発症すると、本人の重症化の可能性に加え、他者への感染源となることから迅速な対応が求められます。
学校や病院などの施設で流行すると、抗体価測定検査(抵抗力があるか確認するための検査)の実施や予定手術が実施出来ないなど、経済的にも大きな影響が出ると言われています。
感染症学雑誌. 2001 75(6):480-484.
はしか(麻疹)の予防
はしか(麻疹)は、現在2回の予防接種が小児の定期接種に導入されています。
なので、小児の患者数は減少し、予防接種を2回行っていない成人の方が多く発症しています。
一方、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)については、小児を中心に毎年数十万人規模の患者が発生しており、2014年より水痘については定期接種に追加されました。
米国では2回接種が徹底されており、はしか(麻疹)のみならず、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)も重症者が激減したことが報告されています。
ワクチンについて
ワクチンは1回接種で90%以上の免疫獲得が期待出来ます。
しかし、数%の1次性ワクチン不全や、接種後の時間経過と共に免疫が低下し発症する2次性ワクチン不全が知られています。
感染症流行予測調査事業によると、麻疹・風疹の1回接種後の抗体保有率は約95%、2回接種後の抗体保有率は約99%とされています。
過去の接種状況に併せた対応が重要かもしれません。
ワクチンの注意点
ワクチンは生ワクチンであり、中27日以上の間隔を空けて接種する必要があります。
また、女性の接種に際しては、妊娠している可能性がないことを確認し、接種後2ヶ月間は妊娠を避ける必要があります。
はしか(麻疹)の感染経路は空気・飛沫・接触感染、ですので、特に多数の人を相手にするお仕事(病院・学校など)をされている方は、免疫を獲得しておく事が望ましいと思われます。
最後に
簡単にはしか(麻疹)について、まとめてみました。
子供の病気のイメージですが大人における流行が心配されています。
ワクチンの重要性など、改めて確認頂けると嬉しく思います。