いじめの加害者が「我が子」だった、あなたはどうしますか?
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「子どもが、いじめに遭ったらどうしよう」
このような心配をした経験のある親御さんは多いと思いますが
我が子が、いじめの加害者になってしまったら・・・
という事態を想像したことはありますか?
文部科学省の発表によれば、
2016年度の、小学校~高校、特別支援学校における
いじめの認知件数は
32万3808件
と、調査開始以来、過去最多の件数にのぼっています。
【参考】
いじめは被害者だけでは成立せず、
そこには必ず加害者が存在するもの。
年間、32万件を超えるいじめが発生している今、
誰もが被害者だけではなく
加害者になる可能性もある、と言えます。
「うちの子に限って・・・」
「我が子は、絶対にそんな事をしない」
と、思うかもしれませんが・・・
親の前で見せている顔だけが、
お子さんの「真の姿」であるとは限りません。
また、お子さん本人に「いじめ」という認識はなく
「いじり」「からかい」というつもりでも、
相手のお子さんの心は深く傷つき、
「いじめられている」と感じてしまっているケースも。
ここでは、
万が一、我が子が「いじめの加害者」になってしまった場合、
どんな対応をすればよいかについて、ご紹介していきます。
「私達親子には無縁な話」
などと思わず、
この機会に、真剣に考えてみませんか?
この記事の目次
「我が子がいじめを行っている」という連絡があったら・・・
まずは落ち着きましょう
「お宅のお子さんに、うちの子がいじめられています」
「クラスでいじめの事実が確認され、それにお子さんが関わっています」
という連絡があった時・・・
驚きのあまり、
「うちの子が、いじめをするはずがありません!」
と、否定をしてしまいたくなったり
「クラスメイトに何ていう事をするの!!!!!」
と、子どもに怒りをぶつけてしまいたくなってしまいがちですが・・・
ちょっと待ってください!
まずは一旦、落ち着きましょう。
この時点では
まだ、お子さんに事実確認ができていないため、
「いじめを行った」とは断定するのは尚早です。
連絡をしてくれた相手に
「教えてくれてありがとうございます、事実確認をしてみます」
と、伝えるにとどめ、
一旦、冷静になるよう努めましょう。
冷静になったら事実確認を!
冷静さを取り戻したら、
我が子に事実確認を行いましょう。
この時
「あなたはいじめなんて、していないよね」
「いじめをするような子に育てた覚えはない!」
などと、
「いじめの有無を決めつける」ような言い方は避け、
「担任の先生から、
「あなたが〇〇さんをいじめている可能性がある」
「無視をしたり、嫌がらせをしているようだ」
と連絡があったのだけど、実際はどうなのだろう?」
「〇〇さんがあなたに無視をされたり、
悪口を言われたりしていて、とても傷ついている、
という電話が親御さんからあったけれど、心当たりはあるかな?」
というように、
先方が言っていることをそのまま伝え、
それが事実であるかどうか確認しましょう。
【注意】
冷静さを取り戻せないうちに事実確認をするのは
感情的に詰問をしてしまう
子どもの話をきちんと聞けない
可能性があるので避けましょう。
我が子が「いじめをしていない」と主張する場合
お子さんに事実確認をした際
「いじめは行っていない」
「身に覚えはない」
と、主張された場合、
本人は「いじめ」を行ったつもりはないけれど、
「ふざけ」や「いじり」「からかい」でしてしまったことが原因で
結果的に相手を深く傷つけていた
叱られる事を恐れ、事実を隠している
の、いずれかの可能性があるかもしれません。
そこで次の2つについても確認してみましょう
冗談半分で「からかい」や「いじり」をしていなかったか聞いてみる
たとえ悪気はなかったとしても、
相手をからかう
しつこくいじる
などの行為をしてなかったか確認をしてみましょう。
本人は「いじめ」と認識しておらず、
軽い気持ちで行っていた行為でも、
相手はそれを「いじめられた」と感じているかもしれません。
この時、
こちらはいじめたつもりはなくても、
結果的に相手を深く傷つけてしまっていた場合は、
「いじめ」と認識されても仕方がない
という事も、お子さんに伝えましょう。
第三者に確認をしてみる
お子さんがいじめを行っていなかったか、
第三者に聞いてみるのも1つの手です。
まずはお子さんに
「いじめをしていないことを確認するために、同じクラスの友達にも聞いてみるね」
「あなたがいじめをしていない事を証明するために、
クラスメイトのお母さんに
「うちの子がいじめをしているという噂を聞いた事はありませんか?」
と、確認してみるね」
と、伝えましょう。
あくまで
「お子さんがいじめを行っていない事を確認する」
というスタンスで話をするのがポイントです。
もし、お子さんが
いじめの事実を隠していた場合、
この時点で、本当の事を話してくれる可能性もあります。
お子さんが、どこかおかしい様子を見せたり、
逆に「確認してもらっても問題ない」と言っている場合は、
クラスメイトや、その保護者など、
「いじめ疑惑」に関わりのない立場にいる第三者に聞いてみましょう。
「我が子がいじめの疑いをかけられている事を広めたくない」
「そこまでするなんて大げさ」
と、感じてしまうかもしれませんが
客観的な事実を知るためには必要な事。
我が子のいじめを隠蔽しようとしたり、
まともに取り合わない保護者より、
「我が子がいじめを行っている可能性が示唆された事実」
をしっかり受け止め、真摯に対応をしている親のほうが
周囲の印象は良くなるのは間違いありません。
勇気を持って聞いてみましょう。
「我が子を守る」という側面も。
第三者に話を聞くと
「いや、逆にお宅のお子さんが嫌がらせをされているようですよ」
「どうやらいじめは、でっちあげのようで
お子さんは嵌められている可能性がありますよ」
という、意外な事実が分かるかもしれません。
本当に心が傷ついて、親や先生に
「いじめを受けました」
と、訴えるお子さんがいる一方、
気が合わないクラスメイトを陥れるために
「いじめをでっちあげる」
「事実無根の噂を広める」
というお子さんも、残念ながら存在するようです
私が子どもの頃も、このような出来事は時々ありましたし、
親になってからも耳にします。
お子さんを守る
という意味でも、第三者に話を聞くのは大切です!
※
もしお子さんが逆にいじめや嫌がらせを受けていた場合は、
どうすればいい?我が子がいじめにあった時 ~元当事者の立場から、お父さん・お母さんへ~
の記事の、5番以降の内容を参考にしてください。
「いじめをしていた事実」が確定した場合
まずは相手のお子さん・親御さんに謝罪を
まずは相手のお子さん・親御さんに謝罪をしましょう。
お子さんが意図的にいじめを行っていた場合はもちろんですが、
いじめているつもりはなく、
遊びの延長での「からかい」や「いじり」であったとしても、
相手のお子さんを深く傷つけたことに変わりはありません。
「ただの遊びなのに「いじめ」だなんて大げさな」
「こちらにはいじめの意図はなかったのだから、謝罪の必要はない」
と、感じてしまうかもしれませんが・・・
もし、お子さんが同じ境遇になってしまったら、
あなたはどう感じますか?
それでも「謝る必要はない」と言い切れるでしょうか。
自分たち親子の身に置き換えて考え、真摯な対応をしましょう。
「いじめ」を行うに至った原因を探る
相手に対する謝罪を終えたら、
お子さんが「いじめ」を行ってしまった原因を探りましょう。
いじめを行った原因について
お子さんは、
「ムカついたから」
「気に入らない態度を取ったから」
「からかうのが楽しかったから」
という
表面的な理由を述べるかもしれませんが、
そのような単純な理由だけで
「1人の人間を深く傷つける」
という行動を取るのは考えにくいもの。
相手の子と事前にトラブルがあったのではないか
日常生活で多大なストレスを感じていて、
その吐け口として「いじめ」や「からかい」を行っていたのではないか
誰かに命令されたり、脅されたりして
不本意ながらも「いじめ」を行ってしまったのではないか
など、様々な角度から原因を探りましょう。
原因が判明したら、
その「原因となるもの」を解決するとともに
どんな背景があっても、
人をいじめたり、からかったり、傷つけて良い理由にはならない
という事を、お子さんにしっかりと伝えるようにしてください。
いじめを繰り返すようなら専門家に相談も
何度もお子さんに言い聞かせたり、話し合いの機会を持っても、
いじめを繰り返してしまう
というケースもあるかもしれません。
そうなってしまった場合、
家庭だけで問題を解決するのは難しいと思われます。
スクールカウンセラー
養護教諭
思春期外来の医師
など、
専門家に相談をして解決方法を探っていきましょう。
「いじめは犯罪である」との認識を
「いじめ」という言葉は、
子ども同士のいざこざ
喧嘩の延長
というイメージがあり、
どこか「軽い」印象があるのも否めません。
でも、いじめで行われる
様々な事柄を一つ一つ考えてみると・・・
悪口を言いふらす
→誹謗中傷
物をぶつけたり、机を蹴飛ばしたりする
→暴力
根も葉もない噂を流す
→名誉棄損
集団で無視をする
→モラルハラスメント
相手を脅して服従させる
→パワーハラスメント
相手の物を盗んで、捨てたり隠したりする
→窃盗、器物損壊
というように、
これらは立派な犯罪行為にあたり、
決して許されるものではありません。
「たかがいじめ」と考えず
いじめ=犯罪行為
という認識を親子で持つ事が大切です。
おわりに
「子どもがいじめの加害者になってしまった」
「我が子がいじめに加担をしてる可能性がある」
それは親にとって、
とてもショックの大きい出来事ですが、
その現実から逃げずに、受け止めなけれなばりません。
その上で、
事実関係を把握する
相手にきちんと謝罪をする
いじめに至った原因を探る
「いじめは犯罪である」という事実を子どもに伝える
というように、
同じ過ちを繰り返さないよう、
できる限りの努力をしていくのが
大切な「親の役割」であると思います。